「救世主」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

救世主

すぎむらとものり

まちがいながら ひとつずつ

きづつきながら ひとつずつ

まなびつづけてきたんだぞ。

ぜんぜんりっぱじゃないけれど

ボクはボクの肩をもつ。

 

いまのボクをそだてたのは

カッコわるい過去なんだ。

いまのボクをそだてたのは

ためしつづけた過去なんだ。

 

きらうなんておかしいや。

わすれるなんてつめたいぞ。

それをムダとかヨゴレとか

わるものみたいにきらうから

ボクは元気をなくすんだ。

 

いまのボクをすくったのは

勇気をだした過去なんだ。

いまのボクをすくったのは

ちゃんところんだ過去なんだ。

 

救世主はボクだった。

あんなに泣いたボクだった。

救世主はボクだった。

まなびつづけたボクだった。

 

たすけてくれる人をさがして

いろんなばしょをたずねたけれど

ほんとうはいつもいっしょにいたんだ。

かたときもはなれずに

キミがボクをまもっていたんだ。

 

ごめんね。

ごめんね。

ボクはようやくおもいだせたよ。

ボクのいちばんの恩人のこと。

 

ありがとう。

ありがとう。

そっとあわせた手のひらに

今 あたたかな雨がふる。

 

救世主よ。泣いているんだろう。

うれしくて泣いているんだろう。

見えなくてもわかったよ。

あとから あとからやってくる。

キミの涙のあたたかさで。

 

救世主よ。泣いているんだよ。

ボクだって泣いているんだよ。

 

ねえ、

キミも見あげているんだろう。

こころの空からおちてくる

あたたかなボクの涙を。