「手のひらの花」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

手のひらの花

すぎむらとものり

ゆるせないと

ぎゅっとにぎったこぶし

でも ゆるすしかないと

おもいなおして

またひらく

ちいさな手のひら

 

こぶしはつぼみ

そこからしか生まれない

うつくしい花がある

 

なんどもなんどもにぎるのは

なんどもなんどもひらくためだ

なんどもなんどもふるえるのは

つよくおおきくそだてるためだ

 

にているだれかのかなしみを

にているだれかのくるしみを

いつかそっと

すくいとるほど

おおきくそだて

手のひらの花

 

ゆるせないと

ぎゅっとにぎったこぶし

でもりかいすることは

あきらめたくないと

また ひらく

ぼくの手のひら