「かわいいほとけさま」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

かわいいほとけさま

すぎむらとものり

 

おにはそと ふくはうち

豆をぶつけられたなら

だれだっていたかろう

そんなふうに追われたら

だれだってつらかろう

みんなよっていきなさい

お茶でもいれてあげるから

 

おにさん

こわがらなくていいからね

ふるえなくてももういいよ

ストーブもってくるからね

すこしあたっていくといい

おなかはすいていないかね

おむすびもってこようかね

 

おにはうち ふくはうち

どのこもみんなむねのうち

ほとけさまのあったかい

むねのうちにいるんだよ

 

おにはうち ふくはうち

どのこもみんなこどもだよ

ほとけさまになるための

たびのとちゅうにいるんだよ

 

じぶんの囲いがほどけたから

おにはうち ふくはうち

だれひとり

ほっとけないかただから

ほとけさまってよぶのかね

おにさん あなたもこどもだよ

かわいい かわいい ほとけさま

 

おにさん

泣いているのかい

そんなにはなをたらして

これではなをかみなさい

 

いいかい

わすれちゃあいけないよ

ほうっておかれていないから

いろんなことがあるんだよ

あなたがたいせつなひとだから

まなぶじかんがあるんだよ

 

ありがとうって言ったのかい

豆をもたせてあげるから

元気をだしておゆきなさい

 

おにはそと ふくはうち

そんな声に負けないで

 

おにはそと ふくはうち

おおきな声に負けないで