「なつかしいダルマ」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

なつかしいダルマ

すぎむらとものり

 

てきぱきと

起きあがらない

ダルマというか

 

タイマーでも

セットしているとでもいうのか

 

なかなか なかなか

起きあがらない

キミはなんだか

なつかしいかんじがする

ダルマ。

 

わきあがる感情の

ひとつひとつに

ざぶとんをさしだして

みんなの話を聞いている。

ゆっくりと。ゆっくりと。ゆっくりと。

 

めをとじて

お茶をのむ

えんがわの

おじいさんのようだ。

 

あじわいのこしはないかのう。

まなびのこしははいかのう。

 

おお

ぜつぼうに茶柱が立つ。

 

なるほど

からっぽのお茶わん

ひっくりかえしてお茶わんまであじわうか。

 

起きあがるのがはやくても

ふっきんつよいだけじゃなあ。

ころんだひとをバカにする

きもちのわからん

ダルマじゃなあ・・・おじいさんのひとりごと。

 

ああグズグズしてると言うなかれ。

モタモタしてると言うなかれ。

赤信号をあじわえる

キミはりっぱなダルマだい。