「どん底」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

どん底

すぎむらとものり

地面に穴を掘る。

どんどん掘る。

岩もマグマもかきわけて

下へ下へ。

 

さあ ここがどん底。

最後のシャベル。

つきさしたその瞬間。

あれーっ。

 

僕はずっと忘れてた。

地球がまるいってこと。

まあるい星は地面の下に

地上をのせているんだ。

 

下に向かっていたはずが

いつのまにか

上へ上へに変わってる。

 

どん底。

その足もとが

いちばん光に近いんだ。