すぎむらとものり
おにぎりになれなかった
ごはんつぶが
手のひらに残った。
僕はそれを
ひとつぶも残さずに食べた。
すごいものになれなかった
ひとつぶ ひとつぶが
すごいものより
僕のなかに先に入った。
おにぎりになれなくても
じゅうぶんに
僕のために
命をあたえてくれたんだね。
おにぎりになれなくても。