「命」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

すぎむらとものり

おにぎりになれなかった

ごはんつぶが

手のひらに残った。

僕はそれを

ひとつぶも残さずに食べた。

 

すごいものになれなかった

ひとつぶ ひとつぶが

すごいものより

僕のなかに先に入った。

 

おにぎりになれなくても

じゅうぶんに

僕のために

命をあたえてくれたんだね。

 

おにぎりになれなくても。

おにぎりになれなくても。