「いろがみ」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

いろがみ

すぎむらとものり

ここに百枚の赤い色紙がある。

一枚を床に投げて

これが僕だよって宣言する。

 

残りの九十九枚を

その上からばら撒いたら

はたして「僕」を探しだせるだろうか。

 

色がおなじだと

見分けることなどできない。

 

僕を見つけるいちばんの方法は

まったく似ていない色の中に置くことだ。

 

自分探しができるのは

似てない誰かのおかげなんだ。

 

まるでちがう考え方こそが

僕の色を教え

ちがう色使いを教え

僕がいったい何者なのかを

鮮やかに浮き彫りにするんだ。