「トマト」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

トマト

すぎむらとものり

はじめから赤いトマトなんてあるかい。

青いのが時間をかけて赤くなる。

どうのこうのと言うんじゃないよ。

ほっときゃ自然と赤くなる。

 

僕のこころもおなじでね。

青いのやら赤いのやら

いろんなトマトがあるんだよ。

 

青いトマトばかり見て

なぜ青いなんて

息をつめて考えこんだら

そりゃあ顔色だって

青くもなるさ。

 

トマトを育てたいんなら

僕が太陽になればいい。

こころを育てたいんなら

僕が太陽をまねたらいい。

 

太陽はさ。

あんまり細かいこと言わねえぞ。

あんまりえこひいきもしねえぞ。

くもりの日も雨の日も

それはそれでいいよなって

それはそれで大切だよなって

くる日もくる日も遠くから

ほほえみかけてくれている。

 

はじめから赤いトマトなんてあるかい。

青いのが時間をかけて赤くなる。

僕の青いところ

すっぱいところ

条件ぬきにあっためてあげよう。

やさしくできたらきっと

そのうちいやでも赤くなるから。