「天才」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

天才

すぎむらとものり

世の中には

えらい人がいる。

天才ゾロゾロ。

秀才ゴロゴロ。

テレビの中を大行進。

 

おかしを食べながら

それを見ている僕だよ。

ときどき鼻をほじりながら

それを見ている時だよ。

 

「お前はなんの役にもたたないなあ」

ねころんでる僕の前で

小びとたちがやかましい。

「みんながんばっているのに

お前はダメなやつだなあ」

ブツブツ

ブツブツ

小びとたちがエラそうだ。

 

だけど僕は聞こえないふり。

知らんぷりで気づかないふり。

 

そうして

僕のおかしを盗もうと

小びとが手をのばしたその時。

 

すかさず僕は

つかまえて

窓からポーンと

はじきとばす。

 

口のわるい小びとを

つかまえる

僕は天才だったのだ。

フフフ。