すぎむらとものり
カリカリ。イライラ。
ムカムカ。プリプリ。
へんな虫が体のなか。
あちこち体当たりを続けてる。
彼こそが腹の虫。
すごい勢いで走っては壁にぶちあたる。
もう何時間も。
痛そうで見ていられない。
そんなことおよしよ。
おこるなんて子供だよ。
僕が意見をいうたびに
彼は走り出す。
虫くんが欲しいのは
虫くんの味方。
それは腹がたつねえ。
それはおこって当然だよ。
そんな僕のうなずきなんだ。
虫くんはぜんぶ話すと
きれいな蝶になる。
すてきなウインクをして
僕から空へと飛びたつんだ。