ゆるせないと
ぎゅっとにぎったこぶし
でも ゆるすしかないと
おもいなおして
またひらく
ちいさな手のひら
こぶしはつぼみ
そこからしか生まれない
うつくしい花がある
なんどもなんどもにぎるのは
なんどもなんどもひらくためだ
なんどもなんどもふるえるのは
つよくおおきくそだてるためだ
にているだれかのかなしみを
にているだれかのくるしみを
いつかそっと
すくいとるほど
おおきくそだて
手のひらの花
ゆるせないと
ぎゅっとにぎったこぶし
でもりかいすることは
あきらめたくないと
また ひらく
ぼくの手のひら