「クリスマスローズ」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

クリスマスローズ

すぎむらとものり

いつも下を向いていて

キミはバラには見えないよ。

毒を持っているというキミに

クリスマスは似合わない。

 

クリスマスローズ。

そう呼ばれる花。

花びらに見えるのは

ただの見せかけ。

ボクが見くだした残念なバラ。

 

それでもクリスマスローズ。

理由があるのか。

キミをじっと見ていたら

キミのしていることが

あざやかに見えてきたんだ。

 

キミはうつむいてなどいなかった。

ずっと照らしていたんだ。

地面に近い場所で

けんめいに生きる仲間たちを。

 

キミははげましてきたんだ。

花のようなカサで

キミの光を目一杯あつめて。

 

うなだれていたのは

キミを見おろしていた

ボクのほうだった。

 

キミはボクを呼び止めた。

人間なんて大きらいだと

いやな世界は見たくないと

下を向いて歩いていたボクを

キミは放っておけなかったんだ。

 

こんなボクにも

照らせる場所はあるだろうか。

そう聞くボクに

キミはそっとうなずいた。

 

ーあなたがわたしを 照らしてる。-

 

涙が止まらなかった。

ボクが大好きな人に

キミはよく似ていた。

 

クリスマスローズ。

 

キミは救世主のバラ。