「星よ」って呼ぶと
みんながふり向いた。
「光よ」って呼ぶと
みんながふり向いた。
「愛よ」って呼ぶと
みんながふり向いた。
いっせいにふり向くから
ボクは笑ってしまって
それぞれにべつべつの
名前をつけた。
名前がいっぱいできた。
星は星でも
いろんな形があるからね。
光は光でも
いろんな形があるからね。
愛は愛でも
いろんな形があるからね。
べんりになった。
にぎやかになった。
星たちもたがいに
あたらしい名前を
つけて呼びあった。
やがて
あふれる名前のなかで
ほんとうの名前を
こどもたちは忘れていった。
べんりになった。
にぎやかになった。
でも
こんなにもあかるいのに
キミたちが
さみしいのは
何故だろう。
「星よ」って呼ぶと
みんながふり向いた。
「光よ」って呼ぶと
みんながまたたいた。
「愛よ」って呼ぶと
みんなが手をふった。
あの時のことを
キミたちの胸が
まだ覚えているから。
あの時のことを
ボクが決して忘れないから。