すぐ近くでセミが鳴いた。
びっくりするくらい大きな声で。
キミのちいさな体のどこから
そんな声がでるんだい。
巨人のようなボクの体を
おもいきりゆさぶった
いのちのエネルギー。
あたまをからに
からだをからに
自分らしさなんて
よけいなものが
どこにもないから
キミは宇宙の喉になった。
なつかしいうたが聞けたよ。
神さまの息を
じゃましないなんてすごいや。
ありがとう。
なんかジンときた。
大人になるうちに
つめこんできた
やかましいおんぷを
ふり落とすように
ボクの体をひびかせて
おなじいのちが
うたっていると
ちいさなキミが
ボクにうたう。
セミがうたう。
宇宙がうたう。
どこからまぎれこんだのか
ボクの部屋の真ん中で。