「たんぽぽのこえ」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

たんぽぽのこえ

すぎむらとものり

 

たんぽぽのこえはとてもちいさい

ちいさくてちいさくて

それはそれはかわいいこと

ことばになるまえのつぶつぶね

 

ちいさければちいさいほど

囲いの向こうにとどくものね

こまかければこまかいほど

かべをぬけてつたわるものね

 

かわいい かわいい天才忍者が

わらいながらうごきまわって

おそうじ パタパタ

ボクのこころをくすぐるの

 

このごろずっと閉ざしていた

ボクの窓は

いつのまにか開けはなたれて

ほこりがいっぱい

綿毛のように

キラキラ キラキラ

とおい空へと消えてゆくよ

 

いつからそこに咲いていたの

 

あわてんぼの

ボクのくつひもを

そっとほどいて

しゃがませた

ちいさなちいさな

キミのこえ