僕という山を登る。
自分というふしぎな山。
僕が僕をきらいになると
深い谷底にでる。
上を目指したはずなのに
へんなの。
僕が僕を好きになると
高い場所にでる。
落ちこぼれた僕に
やさしくしただけなのに
へんなの。
見晴しがいい
その場所からは
いろんな山が見えるよ。
となりには君の山。
むこうには彼の山。
そのむこうには彼女の山。
どの山も輝いている。
むこうから見たら
僕の山も同じように
輝いているのかな。
誰になろうとしないでも
何かにすがろうとしないでも
そこにいるだけで
僕らはみんな
美しい山のなかにいる。
その輝きを
ほんとうの姿を
自分で見ることができないから
証明しようとして
苦しんでいるのかな。
僕が僕を好きになるほど
僕は高い場所にいる。
自分を好きになる道は
あかるい場所に
どこまでも続いている。
いつか行けたらいいな。
僕の山も
君の山も
彼の山も
彼女の山も
みんなひかり輝いて
みんなひとつに
つながって見えるその場所に。