「僕の目は僕の目を見れないけれど」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

僕の目は僕の目を見れないけれど

すぎむらとものり

やさしい目 あたたかな目 いかりの目 つめたい目

いろーんな目。

その時僕がどんな目をしているのか

僕の目は僕の目を見れないけれど。

 

やさしい目 あたたかな目。

その目にいちばん近いのは自分自身。

そのぬくもりはだれよりも先に僕に届く。

 

いかりの目 こおりの目。

そのするどさにいちばんふれているのは自分自身。

その冷たさはだれよりも先に僕に届く。

 

だれかを許すゆるやかな目。

大目に見てあげるながーい目。

だれかをあたためる僕の目が

だれよりも近くで僕をあたためている。

 

願わくばあたたかな目を。

思いやるながーい目を。

僕がいつも持てますように。

 

僕の目は僕の目を見れないけれど

僕の体も 僕の心も

それをちゃんと見ているよ。

だれよりも近くで。