「マル」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

マル

すぎむらとものり

ほめられたくていい人のふり。

僕はマルをひとつもらう。

それを首にかける。

 

好かれたくて同じ意見のふり。

僕はまたマルをもらう。

それも首にかける。

 

嫌いな人にも好かれよう。

むちゃをすれば

花マルだってもらえる。

それはひどく重い。

 

マルの数を数えれば

なかなかの高得点。

がんばってるんだ。

 

やがて投げ輪の的みたいになって

僕は動けなくなる。

 

がんばってるんだ。

それはホントなんだ。

 

でもさ。

僕が僕にやさしくして

僕が僕にあたたかで

僕が僕につける点が

もともと高ければ

わざわざ重いマルなんて

いらないんだ。