「あわてんぼうの流れ星」 僕につけるくすり詩(うた) すぎむらとものり

あわてんぼうの流れ星

すぎむらとものり

あわてんぼうの流れ星。

ボクの願いを置いてゆく。

なんだよひどいなむししてさ

夢を置いてゆくなんて。

ふかいボクのため息に

流れ星がふりかえる。

 

― おやおやおかしなことを言う。

  自分の姿をわすれたの。

  願いがすべてかなうふるさとを

  元気よく飛び出した

  キミはきれいなお星さま。

  願いがすべてかなうふるさとで

  キミが願ったその姿。

  キミじしんが流れ星。―

 

あわてんぼうの流れ星。

ボクが星に見えるのかい。

こんなにくすんで見えるのに

まさかそんなのうそだろう。

 

― いやいやキミも流れ星。

  願いはすでにキミのなか。

  なやむ自由に まよう自由。

  ためす自由に つまずく自由。

  いろいろできるキミこそが

  キミが望んだおくりもの。

  神さまからいただいた

  かけがえのないプレゼント。

 

  キミがキミでいるからこそ

  はじまるものがたり

  そのなかを

  もっと自由に飛んでゆけ。

  キミがキミをいつわらない

  キミだけのものがたり

  そのなかを

  あきらめないでゆくんだよ。

 

  どんな飛び方をしているときも

  ボクらはみんな流れ星。

  どんな転び方をしているときも

  ボクらはみんなかがやきなんだ。

 

  キミの夢は置いてゆく。

  あわてんぼうの流れ星よ。

  キミの夢はキミでいること。

  ありのままのキミでいること。―